【バイク無知ガールが教える?バイク用語】第34回:スリッパークラッチ

こんにちは。前回の教えてワードのハイサイド。バイクに限らず乗り物は必ずしも危険はゼロではないので、このような状況もあるのだということもしっかりと覚えておかないといけませんね!勉強になりました!
それにしてもハイサイドをかわしたロッシの画像は本当にお見事でしたね!!!
というわけで、今日も新しいバイク用語学んでいきましょう!今日のおしえてワードはこちら。
スリッパークラッチ
「クラッチ」はエンジンを切り替える時に使うもので、自動車用語にもありますよね!「スリッパー」というのはスリップのことでしょうか?
「スリッパークラッチ」についてくわしく教えてください♩
おしえて。ロレンス編集長〜!?
正しいお答え: from ロレンス編集長
はい、お答えします。
「スリッパークラッチ」とは最近のスポーツバイクに採用されることが多くなった、新しいクラッチシステムです。スリッパークラッチを説明する前に、エンジンブレーキについてもう一度おさらいをしておきましょう。バイクはアクセルを開けると加速しますし、アクセルを戻すと減速します。このアクセルを戻した時に、バイク自体は慣性で前進しようとしますが、クラッチを切らないとタイヤにつながっているエンジンも、そのまま回ることになります。このときにエンジン内部で抵抗が起きて、この抵抗力がタイヤの回転を止めようとする方向に力がかかり、結果的にブレーキをかけているのと同様の効果を生むというのがエンジンブレーキです。
このエンジンブレーキはギアが低いほど効果が強く現れます。バイクはいまでもマニュアルシフトのマシンが主流ですので、通常は減速する際にシフトダウンしてゆくことになりますが、スピードによっては、この時にかかるエンジンブレーキが強く作用し過ぎて、場合によってはリアタイヤをロックさせてしまうこともあります。これはコーナーリングの手前などでは転倒につながりかねません。このような状態になることをさけるのが「スリッパークラッチ」の役割です。
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これはKawasaki Ninjaに装着されている「Assist & Slipper Clutch」の構造です。通常は図の左側のように、クラッチ板同士が密着して、エンジンのパワーをリアタイヤに伝えますが、急激なシフトダウンによって、エンジンブレーキが強く効きだすと図の右側のように、クラッチ板が離れようとする構造になっています。これによりバックトルクといって、エンジンがリアタイヤを逆回転させようとする力を和らげるのです。またこの独特のクラッチ板の構造によって、走行時のクラッチ板同士の密着がよく、クラッチレバーを握る力を軽減する効果も得られることとなったのです。外見ではわからない部品ですが、大きく進化しているのですね。

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