少年の頃、自転車で沈む夕陽を追って走ったことがある。気が付いたら日はとっぷり暮れて、僕は今どこにいるかわからず、迷子になっていた。 スマホなどない時代の話だ。ほとんどべそをかきながら、闇雲に帰り道を探して走り回ったのを覚えている。 大人になってから同じことをすれば、たいてい...