2014年5月。
「起業家の肖像」、というプロジェクトをスタートさせたことをここに報告しておく。
その名の通り、起業家のポートレートを撮影し、それを一連の作品へとまとめる、というものだ。成果物としてこのサイトでも適宜数枚ずつ紹介していくが、最終的には出版やギャラリーでの展示を視野に入れたプロジェクトだ。もちろん撮影した写真は、必要な枚数をRAW現像したうえで被写体になってくれた起業家にお渡しするので、是非メディア露出の際に公式な宣材写真としてお使いいただきたいと思っている。ちなみに僕が言う必要な枚数とは、(モノクロ+カラー)x 堅いメディア用、および x 緩いメディア用、の4枚である。
写真は、ある意味いいカメラにいいレンズを揃えて、適切な条件でシャッターを押せば誰でも成果を出せる簡単な作業だが、この作業とその成果物に芸術的意味を持たせるのはテーマだと思う。同時に写真のテーマには必然性が必要だ。コンセプトと言っていい。
篠山紀信なら女性のグラビアだし、森山大道ならストリートスナップ、荒木経惟なら女性の緊縛?といった具合に、撮影者と被写体の間になんらかのリンクがあるから意味が生まれている。
僕の場合のコンセプトは、「起業家が起業家を撮る」だ。実のところ、この数年で一気に起業家も増えたし、PRの必要性やメディアへの露出の機会も増えたのに、若手起業家の中にはちゃんとした宣材写真を揃えている人が実に少ない。写真を軸としたコミュニティやサイト制作サービスをやっている僕としては、写真の意義や力をもう少し理解してもらいたいw。だから、僕が撮ってあげなければと思いついた次第だ。
また、ここが一番肝心なのだが、被写体として、起業家はアスリートや美女、野生動物に匹敵する優れた対象であるということだ。彼らは、自分のアイデアと実行力を信じて、誰も通ったことがない道を一人進もうとする無謀な挑戦者だ。サラリーマン経営者にはありえない向こう傷を笑顔に隠して、光の中に立とうとする。その姿は清々しく神々しいはずだ。
だからこそ彼らのポートレイトであれば、肖像と言っていいくらいの芸術的価値があるだろうと考える。シリコンバレーで投資を受けて起業することは、メジャーリーグでユニフォームを着るのと同じくらい、いやもっと意義深いのだと、もっと多くの普通の人々にも知ってもらいたい。そういう啓蒙の意味も十分にあると考えたのだ。
このテーマ、コンセプトであれば、プロジェクトとして僕が手がける意味があるだろう。そう思えた。
そういうわけで、虎視眈々(豹だけどw)として、このプロジェクトをスタートさせた。起業家のみなさん、是非僕にあなたのポートレートを撮らせてください。飄々とした中にも透けてみえる、野心と不安と情熱と苦悶を、その瞬間に取り出して一枚のフレームに定着してあげますw