僕はGRを愛用している。所々で公言しているからご存知の方も多いかと思う。
クリエイティブ面の師匠でありマレーシア時代からの友人である 独立系クリエイティブエージェンシー RISNの丸田さんの勧めで一眼レフはCanonのEOS 5D Mark III(5D3)にしたが、スナップシューターとしてのGRには相変わらず入れ込んでいる。
(ちなみに丸田さんはGRは「持ち運ぶには大きさが中途半端」という理由で評価していないのだが、僕からするとこれ以上小さいコンデジを使うなら、iPhoneで十分に思うし、どうせMacBook Proを持ち歩くくらいのバッグを使っているので、中に放り込むにはGRの大きさには不満がない)
スナップシューターとしてGRが優秀なのは起動の速さだ。iPhoneのロックを外し、カメラアプリを立ち上げる速度とそれほど変わりはない。武器に例えるなら、iPhoneのカメラはナイフのようなもので超接近戦に向く。常に持ち歩いているので、とっさのときの緊急手段的な撮影や、名刺や印刷資料をスキャンするようなときに役立つ。
GRは護身用拳銃、それもリボルバーのようなもので、日常的なスナップに使う。スナップというものは、撮りたいものを意識的ではなく無意識に探して撮るものだ。撮りたいものが決まっていて、意識的に探す用意ができるなら画質も良くパワフルな一眼レフのほうがいい。無意識に撮りたいものを探していて、それに出くわす幸運を逃したくないから、キレイな写真を撮れて、しかも取り回しの優しいコンデジがいい。重い一眼レフでは無意識に探していた被写体を撮り逃がすし、iPhoneでは撮れたとしても画質に満足できないことが多い。スナップショットでは狙って撃つのではなく、撃ってから狙う。カメラでも同じで撮ってから狙う。そのときの結果としての画質の良さを担保してくれるからGRを選んだ。iPhone、もしくはより軽くて低価格のコンデジでは撮れても結果を担保してくれることはないからだ。
そして5D3は狙撃に使う高性能ライフルのようなもので、ターゲットとなる被写体が決まっていて、撮影条件が過酷かどうかは別にしてもある程度予測できる状態にあるときに使う。つまりスナイパー専用だ。遠距離撮影でもポートレートでも、撮影条件に合わせてライティングやレンズの選択を検討し選択する時間と余裕を持てる、逆に言うとその時間と余裕がなければ精密な撮影が出来ないような場面で使う。僕の場合は、やはり遠距離の撮影(300mm maxの望遠レンズを使用)か、当面のライフワークにしている起業家のポートレート撮影(50mm F1.2 or 100mm F2.8の単焦点レンズを使用)に絞っている。セッティングが命であり、事前準備の精密さが腕そのものよりもモノを言うのが一眼レフの世界だと思う。
5D3には非常に満足しているし、撮ることの楽しさも半端ないのだが、写真を日々楽しむということであれば、やはりGRは頼もしい相棒だ。
仕事で使う写真も自分で撮り始めているが、5D3で撮影した写真が7割で、残りの3割くらいは意外にGRでサクッと撮った写真を使っているほどなのである。