モノクロームで写真を撮ることは、見方によっては新しいテクノロジーや思想を否定することだ。
もともと白黒でしか撮影できなかったカメラの時代への、過度な懐古主義だと思うこともある。それは、最先端の遊びを好む子供たちを舞わせるDJが、CDでもなくiPodでもなくアナログのレコードに、価値を求めるようなものかもしれない。

ただ、情報過多な時代にあって、時として我々は膨大なデータの流れの中でコトの本質を見極めることが出来ずにいる。ならば敢えて必要か不必要かを問わず、直感的に手当たり次第に眼に映るものを削ぎ落としてみるほかないのではないか。

色という色を捨ててみると、そこには光と陰しかない。もはや意味を成さない二極の情報でしかない。
それでもそこになにか感じるものがあるとすれば、それは観る者にだけ与えられる福音なのだと思う。

*REVOLVER dino network 投稿 | 編集