スタンダールの名作「赤と黒」は、野心家の青年が女を踏み台にのし上がり、そして女のために破滅するというストーリーだ。
赤と黒とは主人公のジュリアン・ソレルが貧しさを抜け出すために利用しようとした階級、軍人(赤)と僧職(黒)を指す。ただ、これには諸説あるらしく、ルーレットの赤と黒、すなわち出世のためにすべてを賭けたギャンブルに挑んだ若者の姿を指しているともいうらしい。
いずれにしても、赤と黒は、生まれや環境を受け入れるのではなく、実力で運命を書き換えようとする者の象徴である。