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デフォルメは多いが(そもそもフィクションと明記している)、だいたいはこれまで語られてきたApple黎明期の話の流れに即しているし、なによりとても面白い。
ウォズがジョブズとのコンビを解消しろと父親に迫られた時に、自分は正しいモノを作るが、ジョブズはそれを受け入れることができるように世界を変えてくれる、と言う。
人はなかなか新しいものを受けつけないし、その本質を見抜けない。本当はもっと評価されてもいいはずのプロダクトやサービスが、日の目を見ずに消えていく、そういうことは日常茶飯事だ。
だからこそ、真に革命的なプロダクトやサービスを作る者を見出し、愛して、その普及のためにカラダを張る。そういうクレイジーな人間が必要だ。
本作では、ジョブズをそういう人間だと認め、表現してくれる。
ちなみに、1巻では終わり近くに若き天才としてビル・ゲイツ少年が登場する。ジョブズとは異なるタイプのカリズマとして、いい感じで描かれているから、PC派・Microsoft派の読者も十分に満喫できる展開となるだろう。