写真は、見ればわかるが狛犬だ。彼らは阿吽、つまり口を開けている方と、閉じている方がいる。
前者を「阿形:あぎょう」、後者を「吽形:うんぎょう」と呼ぶ。寺院にある仁王像も同じで、必ず阿吽の一対で成立している。
阿吽とは呼吸のことであり、阿は口を開いて最初に出す音、吽は口を閉じて出す最後の音だ。つまり、阿吽とは宇宙の始まりと終わりを表す言葉である。
要するに、宇宙というか世界を表現する短い言葉でさえも、ちゃんと対を成している。コミュニケーションもそうだし、ビジネス上のコレスポンデンスもそうだし、開いたら閉じないとならないんだが、なにかと開きっぱなし、閉じっぱなしで対をなさないまま空に浮く事柄が多い。
要するにだ、僕はちょっと今日は腹を立てているのである。
腹を立てているので、ここに書くことで、この写真の吽形の狛犬のように、意識して口を閉じるのである。で、仕事に戻るのである。