僕はこの2年間、リモートワークによる会社経営をしてきたが、11月からそれを改めて 原則として社員全員をオフィスに集結させる体制へと方針転換する。
本書は、そのための理論武装として役立ちそうだw。
珍しくKindleではなく実物の書籍を購入したのだが、本書はGoogleの採用や人事制度などを軸に、Google流経営管理手法が記されている。簡単に言うと、優れた人材(本書ではスマート・クリエイティブと呼ぶ)をいかにして集めるか、そして集まった彼らを管理するのではなく、喜びや使命感をもって自発的に仕事に取り組んでもらえる環境作りをするか、という内容だ。
リボルバーでは、これまで通勤時間(特に満員電車に詰め込まれる苦役)から解放し、最も快適な空間であろう自宅での作業を推奨してきた。現社員は創業社員でもあり、管理しなくても自律的に仕事に取り組むことが分かっていたからこそできた体制だった。
もちろん、今後も管理されなければサボるような人材は極力避けて採用に臨むが、Googleに採用される優秀な”人財”たちでさえ、一つ所に押し込まれ、他者との接触を強制される空間に置かれることでケミストリー(化学反応)を起こすらしい。それによって素晴らしいアイデアや発明が生まれる効果は、孤絶された自由を与えるように効果が高いとするのが、本書の主張だ。
僕は数回Googleの米国本社を訪れているが、24時間オープンの快適なカフェやバスケットボールコートなどの、素晴らしいアメニティについ目がいく。しかし外部からの来訪者には見えない執務スペースは、適度に他者と交流を促すような”狭めの”空間となっているという。
もちろん今のリボルバーは小さな所帯だから、そもそも広い空間などないが、それでもリラックスできる快適なスペースと、セレンディピティを生むための密度を保った距離感を同時に作り出す工夫を考えている。
リモートワーク自体は有効であると思うし、そもそも僕自身それを好んできたのだが、とりあえず新しい環境と新しいルール、そして新しい仲間たちとの”接触の場”を生み出すことによる実験を楽しんでみようと思うのだ。