http://biz-journal.jp/2014/07/post_5564_2.html
興味深い統計がある。
インターネットの利用にPCを使わないモバイルのみのユーザーが急増しており、国別に多少のばらつきはあるものの、若年層を中心に20~40%を占めているらしい。それどころか、巨大な人口を有するインドでは、すでに過半数に達しているという。彼らはモバイルファースト(=モバイルを主、PCを従としているユーザー)ではない。モバイルオンリー世代だ。この傾向は若年層でこそ顕著である。
アジア圏の国民の平均年齢は若い。25歳以下が人口の半分を占めている国も多い。つまり、モバイルオンリーのユーザーは特殊な層ではなく、いたって普通のネットユーザーの姿なのである。
しかも1月29日付日本経済新聞記事『「スマホ、アジアで20億人」=17年倍増、インド・東南アで拡大』によると、2017年にはアジア全域でのアクティブなスマートフォン(スマホ)の回線利用数が20億を超えるという。つまり、数年以内に少なくとも10億人のモバイルオンリーユーザーが生まれることになる。
●モバイルオンリー世代の特徴
モバイルオンリー世代には、いくつかの特徴がある。
まず、ウェブサイトなどを表示するソフトであるウェブブラウザを知らない。iPhoneでインターネットを使っていても、ブラウザという言葉を認知している人は少なく、むしろSafariという言葉のほうが知られているかもしれない。つまり、スマホでウェブサイトを見ている時でも、それはブラウザではなく「Safariというアプリを使っている」と認識しているにすぎないのである。
そして、そのSafariですら使う機会は少ない。iPhoneユーザーでもAndroidスマホユーザーでも、ニュースはニュースアプリで見るし、FacebookやTwitter、Instagramなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)も、もちろんそれぞれのアプリで使う。スマホ上で最も使われるアプリはゲーム系であるが、それらがネットに接続してプレイするタイプのゲームであったとしても、モバイルオンリー世代にしてみれば、単にゲームアプリを使っているとの認識にすぎないのだ。
さらに、最近のアプリの多くはアプリ内ブラウザという機能を持ち、ウェブサイトをブラウザ(Safariなど)に飛ばすことなく、当該アプリ内で表示することができるようになっている。要するに、ウェブサイトを見ていてもブラウザを介していないのだ。
そのため、ニュースサイトをはじめとして、企業が提供するメディアのトップページの閲覧数は驚くほど低くなっている。デスクトップ隆盛時代のように、ユーザーが検索するかブックマークしたトップページを訪れ、そこに表示されるメニューから記事を読んでいくという行動は、レアケースになりつつあると考えるべきだ。
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