ライフスタイルの一部としてのオートバイ

テノハ代官山は、カフェやレストラン、雑貨販売などの店舗を集めたオシャレな商業施設。

その中の目玉のサービスの一つ、TENOHA LAB。クリエイターやスタートアップに向けた、ミーティングスペースや作業スペースをレンタルする会員制ライブラリーだ。

そのライブラリーにBMWのカスタムバイクが、クリエイティブの象徴として展示してあった(2015.04.28で終了)。

オートバイがライフスタイルの一つ、あるいは象徴として捉えられることは喜ばしいことだ。
昔はアウトローの象徴、その後はカリスマ美容師やDJの御用達としてビッグスクーターが社会現象になり、現在ではリターンライダーと呼ばれる元気な中高年の遊び道具として捉えられるオートバイが、改めて創造性や新しい文化の発信の象徴と位置づけられるようになるのであれば、嬉しいことこのうえない。

スカルか天使は定番だ。

オートバイ文化啓蒙の親善大使?

精巧にカスタムされたBMWは置いてはあったが、特にメインになるというよりも、ラボと外界を仕切るガラス越しに、通行人の興味を引くための、ディスプレイ的な扱いであった。
もちろん、それ自体は悪くない。

僕は取材で訪れたため、一般の客(ラボの会員であっても)近寄れない距離まで入ることができた。
だから、こうして写真も撮っているのだが、汗臭さやオイルの匂いが一切しない二台に、戸惑う自分がいたことを告白しよう。

まるで軍服がランウェイのモデルとデザイナーによって、美しく洗練されてしまうのと同じく、確かに美しく変貌した二台のBMWに魅せられると同時に、粗暴さや禍々しさの片鱗もないことに、戸惑うのだ。

このカスタムBMWが、ある意味ミスユニバースのように、バイクの地位向上の親善大使的な役割を担うバイクであり、走ることを目的にして作られたわけではないからこそ、そういう気分になるのかもしれない。

オートバイは走ってなんぼだ。
世界一の美女をテレビの画面越しに見ることは楽しかろうが、自分の隣で自分にだけ特別な微笑を送ってくれるパートナーの方が、より愛おしく魅惑的だろう。

これだけの美しいバイク達だけに、眺めるだけでなく、大いにまたがり、スロットルを思い切り捻って全開にしてみたい。

いつか親善大使の役目を終え、大事にしてくれる乗り手の元で公道を意気揚々と走るその日が来るのを、僕は強く願う。彼らもそれを望んでいるだろう。
そう思う。

なかなか気づいてあげられない、あなたの大事な人の本当の気持ち・・・

Posted by Dino on 2015年4月18日

こんな感じに表示される。Facebookは動画の外部埋込もスタートする予定だし、これまでとは違って、一次データソースとして機能するようになるかもしれない。

dino collection:50,000円/月(税別)のオウンドメディアプラットフォーム

dino collection

dino.network

僕は、数年前からオウンドメディアこそがインターネットマーケティングのハブになると、さまざまな著書やBlogなどで繰り返し訴えてきた。

それでもなかなかオウンドメディアがコストがかかる、という穿ったイメージや、KPIを作りづらいという誤解が障害になり、なかなか普及してこなかった。
ここでいうオウンドメディアとはイコール デジタルメディアであるが、いわゆるホームページとは違う。ホームページがカタログや書籍であるとすれば、オウンドメディアは新聞や雑誌である。
一度作ったらあまり更新しない従前のWebサイトではなく、原則として毎日更新し、読者を楽しませる努力をしなければならない。その意味では、最新情報を伝えるニュース性もさることながら、楽しくためになるコンテンツを配信することが重要で、新聞よりもやはり雑誌日書いと言える。さらに言うと、テレビ番組、特に毎日放映しているワイドショーのようなものかもしれない。

僕たちは、初期はWordpressをベースに作ることで、Blogなみの更新性を持つWebサイト、を提供しようと試みてきた。しかし、Wordpressでサイトを作成すると、そもそも常にスクラッチ(ゼロから設計すること)で製作するので、コストがかかる。お客様の負担が大きくなるのである。オウンドメディアはコンテンツを作り、配信し続けることが重要なので、読まれやすいフォーマットで作り、PCはもちろんスマートフォンなどでも快適に閲覧できる仕組みを作ることはとても大事ながら、そこにあまりお金をかけすぎることはNGだ。

まして、Wordpressでは、機能向上にもコストがかかる。サイトの継続コストは決して安くない。

そこで、僕たちは徐々にオウンドメディアをSaaSで提供することに着手してきた。試行錯誤を繰り返し、よりよいオウンドメディアを、できるだけ簡単に、運営していただけるためのプラットフォームの開発にトライしてきた。

そうしてようやくできたのが、dino collectionというシステムである。

dino collectionでは、モバイルに最適化され、SEO的にも十分にケアされたメディアに対して、ワープロのように扱えるシンプルなエディターを使って正しいフォーマットでコンテンツをアップする。

スマホからも更新可能

作成されたコンテンツはデバイスを問わず、快適に読めるうえ、100%全てのコンテンツを全デバイス上で配信する。

レスポンシブウェブデザインを提供

オートスクロールとオートページングで、読者は無駄なページクリックにより時間を浪費することがない。延々とコンテンツを読んでいただけるが、反面 1枚の長いページのようにみえて、実はURLやタイトルが自動的に切り替わるので、運営者からしてもPVを犠牲にすることがない。一挙両得なのである。

我々としては、プラットフォーム(CMSとネットワーク)を月額50,000円で提供することに決めた。
PV数や管理者・記事執筆者の人数に関わらず一律である。

そのうえで、メディア自体の製作支援や、記事製作、プロモーションなどについても、オプション的にお受けする準備を整えている。

何年かにわたって考え続けてきた、オウンドメディア提供のフルパッケージサービス・ソリューションを用意できる。ようやくここまできた、という気がしている。

マドンナと一戦交えるInstagram

Facebook広告に出稿しようとしたら、いくつかのクリエイティブが掲載不可となってしまった。理由はふたつで、「画像にテキストがたくさん含まれすぎている」「猥褻な画像である」というものだ。

しかし、実際には画像にはテキストは含まれていなかったし、当然猥褻な画像ではない(と、一般的にみて思う)。「ふざけるなFacebook!」と怒っていたのだが、むやみに正論を振りかざすソーシャルネットワークに対して同じような怒りを抱き、真っ向から抗議した人物がいる。音楽業界のスーパースター、マドンナである。

マドンナの問題の写真。

instagram.com

マドンナは2015年4月1日、Instagramに過去のヌード写真を掲載したところ、即座に削除されたことに猛烈に抗議している。削除されたのは乳首が露出した写真だったのだが、過去に写真集として販売されたもので、本人としては芸術作品であるという意識がある。だから削除された腹いせに、今度は臀部が露出している写真をアップしたのだが、それは削除されていない。「臀部はよくて乳首がダメなのはなぜか」とマドンナは怒っているのである。ちなみにInstagramは、マドンナと並ぶ歌姫であるリアーナがヌード写真をアップした折にも削除を強行している。

Instagramに抗議して、すでに利用をやめているリアーナ

necolebitchie.com

宗教観・信条が違う国・地域にサービスをする難しさ

Instagramの投稿基準は、コミュニティガイドラインとしてまとめられているが、ヌードに関しては以下のように禁止する記載がある。「芸術的・創造的なヌード画像をシェアしたくなることもあるでしょう。しかし、さまざまな理由から、Instagramではヌード画像を許可していません。それには、性行為や性器、衣服を着けていない臀部のアップの写真、ビデオ、デジタル処理で作成されたコンテンツなどが含まれます。また、女性の乳首の写真も含まれますが、乳房切除術後の瘢痕や授乳をしている女性の写真は許可されます。ヌードの絵画や彫刻の写真も許可されています」

これに対して、マドンナ以外にも、男性の上半身裸はよくて女性の裸はなぜダメなのか、乳首の露出を許されないのは差別ではないのか、と訴えているグループがある。Free The Nippleという運動がそれだ。

Instagramからすればアメリカや日本だけでなく、信仰心が厚い国や地域に対してもサービスを提供しているわけで、そういった観点からの物言いだろう。しかし、たとえばイスラム圏であればヌードの絵画やヌードの彫刻であっても禁止だ。よって、少し理屈が通らない気がする。さらにいえば、ヌードの絵画はよくて写真(静止画)はダメというのも、写真愛好家からすれば、写真は芸術ではないと宣言されているようなもので、差別極まりない。

また、同ガイドラインでは「写真やビデオは、自分で撮ったか、共有する権利を得ているもののみをシェアしてください」とあるが、実際にはほとんどが他者が撮影したコンテンツの流用であり、通報されない限り放置しているのが現状だ。これは大きな矛盾だろう。せめて著作権に留意し、「必要とあれば削除されるかもしれないからごめんね」とだけ言っておけばよいのではないか?

もちろん男性の上半身はボクシングやプロレスでも露出されているが、女性の上半身とは一概には比較できない。社会的に女性の乳房や乳首の露出が許されるようにならない限り、ソーシャルネットワークとしては追随できないだろう。だから現状の締め付けについて、緩めなければならないというつもりはない。しかし、前述の著作権問題のほか、若年層の遊び場、クリエイター・アーティストの表現の場としての利用に対して監視するような態度では、支持を失うことはまちがいない。

FacebookやInstagramは、LGBTやFree The Nippleのようなムーブメントを、対岸の火事とすることはもはやできない。現状のような杓子定規な対応では、問題を回避できないだろう。

日本では主流のマイクロ企業の買収

小さな企業の迅速な買収によるイノベーションといえば、このAndroid買収が典型的だ

jp.techcrunch.com

Techcrunchが、数名程度の小さなスタートアップの買収がトレンドになると書いているが、日本国内に限って言えば、ほとんどがそういう買収だ。
シリコンバレーのように、相当に成長した後でのスタートアップを巨額で買収するようなことはまだまだ少ない。金額でいえば、5億 - 10億円くらいの買収は国内でも増えたように思うが、数十億円を超えるような買収は多くない。最近では数十億円の調達を成功させるスタートアップが増えてきているので、彼らを買収しようと思えば100億円単位のディールになるが、そこまでいくと、まだ国内の事例はほぼない。シリコンバレーではTumblrやInstagramなど、そうそうたるベンチャーの先行するメガベンチャーがさっくり買っている。
(FoursquareをYahooが買うのでは?という憶測もある)

だから我々にとっては今更?という気もするし、目新しさはないが、うまくまとめられていて、改めて人材と初期プロダクトを買う、という買収に対して目を向ける企業の経営者も増えるかもしれない。

有効な戦略として定義されることに意義があるかも

特にIPOを果たしたばかりの企業であれば、大規模な買収はなかなかできないが、かといって成長を加速するための「ブースター企業」の買収でさえも、日本国内ではアクティブではない。特にIPO直後の決算で下方修正を行うことへの、過度な忌避感がある現在では、なかなか踏み切れないだろう。

しかし、この”ブースター買収”の意義が理解されれば、逆に短期的な利益追求より、意識の高い戦略として認めれらるようになるかもしれない。

それなりの規模のスタートアップの買収となると、たいていシリーズB以降、4000万ドル以上の資金調達を行った企業になる。その時点での評価額を考えると、決して安くない買い物だ。規模が大きいほど、ビジネス面と統合面でのリスクが増える。

マイクロチームは、たいていシリーズB以前の規模で、1000万ドル以下の資金調達を行っている程度だ。シードラウンドのチームなら、調達した数百万ドルで運営している規模の所もあるだろう。小さなプロダクトを持つ小さなチームなら、統合するのも難しくない。更に企業戦略としてもマイクロチームの合理性を見出すことができる。競合他社が手に入れることや、将来的にそのスタートアップが競合になることを防ぐことができることを考えれば、バーゲン価格だ。

プロダクトが失敗して買収側に負担があったとしても、自社内で制作した場合とそう変わらないだろう。少なくとも、素晴らしいチームは手元に残る。

1999 - 2000年に乗っていたスカイウェイブ

僕のバイク遍歴(トータル 11台、いや13台)

僕のバイク遍歴は、
・SUZUKI Γ50cc(原付)
・Kawasaki エリミネーター 250cc
(ドラッグレーサー型。これでニケツで名古屋行ったな)
・Kawasaki Zephyr400
(カスタムで2台買えるくらいお金をかけた。Z1-Rイメージ)
・Kawasaki ZZ-R1100
・Kawasaki Zephyr1100
(オールペイントで青白のクールな感じに仕上げてた)
・Kawasaki Zephyr750
(どノーマルだった・・)
・SUZUKI SKYWAVE400
(マフラーはSP忠男。ペイントと外装のカスタムはDr.Suda)

・Vespa PX200FL2
・ハーレー・ダビッドソン スポーツスターXL1200
・Vespa PX200FL2(2代目)
・KAWASAKI 750RS(通称ZII)

実に11台(正確に言うと、エリミネーターと同時に原付一台と、スカイウェイブをカスタムしている間に原付を一台買ったので、トータル13台だが、原付の車種を忘れてしまった)を乗り継いできた。

自分が愛した対象に順位をつけるのは無粋だと思うが、敢えて考えるならば、今の愛車であるZIIがトップ。次にZephyr400、そしてZZ-R1100、あとはベスパだろうか・・。
Zephyr400は、海外駐在というきっかけがなければ絶対に手放さなかったと思うほどに入れ込んでいた。ZZ-Rは駐在先のマレーシアで乗っていたのだが、320km/hのフルスケールメーターの、世界最速と言えるスーパーバイクだった。60km/hから○40km/hまでほんの10秒ほどで達したときは、人生最高のエクスタシーを感じたものだ。

初めての彼女は忘れないというけれど、生まれて初めて買ったバイク、初代SUZUKI Γ(ガンマ)50ccは、SUZUKIの傑作レーシングマシンRGΓのレプリカだった。いまではあり得ない、50ccの本格バイクだった。もちろん交差点では右折禁止遵守だったけど(笑)、海岸線を一生懸命全開で走ったな。原付なのに、本気度がすごくて大好きだった。大切にしていたけれど、友達に貸したら壊されたのは苦い思い出w

SUZUKI Γ50。1982年12月発売。
実は一番早く登場したガンマレプリカ。生産終了まで一度もフルモデルチェンジが行われなかった長寿モデル。
大きく4段階のマイナーチェンジモデルがあり、7000回転で作動するレブリミッターがあった。95キロフルスケールメーターを装備。

ちなみにベスパは同じモデルを2台買っているのだが、実は1大目を友達に貸したらやっぱり壊されて、同じものを買ったのだw。

おそらくはもうバイクは買わない・・・

ギア付きでないバイクはSUZUKIのスカイウェイブだけだ。
とびきり良い音がするマフラーに変えてご機嫌だったし、通勤スペシャルとしてはとても乗りやすかったし、積載能力も十分だった。普通のバイクと違って地を滑るように進む、スケーティング的な感覚も良かったが、結局ギアがないということで、通勤に使えるスクーターであり、かつハンドシフトによるギアチェンジを楽しめるベスパに買い換えた。同時にスポーツスターも買って二台持ちになった。

その後いろいろあってハーレーを手放し、しばらくはベスパを相棒にバイクライフを送っていたが、ヒョンなことからベスパを売って新しい(中古だが)バイクを手に入れることになった。

それが今の愛車であるZIIだ。実に40年前のオールドバイクであり、日本のバイク史上五本の指に入る名車である。なかなか手に入らないバイクであり、僕の元にやってきたのは面白いくらいに重なりあった偶然の産物だ。

子供のころから憧れていたバイクをようやく手に入れたので、よほどのことがない限り売ることはない。ZIIは僕の最後のバイクになるだろう。つまり、もうバイクを買うことはない、と思う。

バイクを愛しているのにバイクを買わない・・。ある意味これ以上バイクメーカーに貢献できないということだ。(一人でこれだけ買っているんだから、貢献してきた方だと思うけど・・)
だから、バイクを乗る人を増やす。そのためにバイクメディアを立ち上げた

Kawasaki 750RS

せめてもの贖罪(笑)であると同時に、好きなことを仕事の一部にできることは何より幸せなことだ。

もっとも短期間に手放してしまったスカイウェイブに捧ぐエントリー

さて。
実は、この投稿は、僕と共に駆け抜けてくれた11台(正確には13台)の中で、もっとも短い期間で手放してしまったスカイウェイブへのレクイエムである。

冒頭の写真でわかるように、元々オールブラックの車体を、ベージュとオレンジに塗り替え、ハンドルやグリップなど細かい改造をして、さらにマフラーもSP忠男のけたたましい集合管に変えた。結構お金もかけたし、思い入れもあったのだけど、滑るように走るビッグスクーター独特の楽しさは徐々に色あせ、クラッチもギアもない、オートマ感覚のバイクに乗っている自分がだんだん許せなくなって、結局売ってしまった。
ただ、バイク通勤をしていたこともあって、ギア付きのスクーターということでベスパを買うのだが(テレビドラマ『探偵物語』で松田優作演じる工藤俊作探偵が乗り回していたのと同じタイプといえば、わかる人にはわかるかな?)、バイクが持っている本来の凶暴さは当然感じないので、徐々にバイクへの熱情が薄れていった。
だからこそスポーツスターを買うのだが、アメリカンも結局肌には合ってなくて、3年くらい乗ってから売った。ベスパは便利だから手元に置いていたが、興味は完全にクルマに移っていった。それがこの数年であり、バイクへの強烈な想いを蘇らせてくれたのがZIIなのだ(←イマココ)。

それでも、いまになって思うのだが、スカイウェイブはいいバイクだった。
当時は表参道にオフィスを持っていて、ほどなく六本木に移るのだが、その間の通勤はスカイウェイブの、浮かびながら滑っていく、と表現すべき乗車感覚を十分に楽しんでいたと思う。

仮にいままた買ったとしても、やはり長いことは続かないと思うが、それでもいいバイクであったという想いは同じだ。
今の愛車であるZIIは、ちょいちょい調子を外すし、修理すればお金もかかるし、止まらないし曲がらない。いまどきの250ccバイクにも置いてきぼりにされるくらい、遅いw
なんだけれど、僕はもうZIIに首ったけで、愛してやまない。一生、トリコなのだ。

いまの時代に、それだけ愛せる対象を得られた幸せを感じつつ、逆に愛してあげられなかった対象であるスカイウェイブに対して、「君が悪いんじゃない、君はいい女(バイク)だった。悪いのは愛しきれなかった僕なのさ」と頭を下げる思いなのである。

え??
酒飲んでるんじゃないかって??
ええ、まあ多少はw

「コンテンツこそが王様だ」と、ビル・ゲイツは言った。1996年に

モバイルとソーシャルネットワークの普及によって、インターネットマーケティングは大きく変貌せざるを得なくなった。

Googleがネット業界の覇者になって以来、長らくSEO/SEMがインターネットマーケティングの軸となってきたが、現在のインターネットユーザーの多くは検索をしない。モバイル上ではブラウザーを使わないからだ。
モバイルを多用する層は(主にモバイルを使う、という意味のモバイルファーストに加えて、モバイルしか使わないというモバイルオンリーユーザーも、若年層には激増している)、1日のネットユースのうち、ブラウザーを使うのはわずか14%程度の時間だという。主に使うのはゲームアプリだったり、Facebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルアプリである。

ただ、ゲームはともかく、インターネットとの接続を必要とするソーシャルアプリで消費される多くのコンテンツはWebコンテンツであり、URL+HTMLのデータフォーマットである。つまり、FacebookやTwitterなどのソーシャルアプリ上でURLがクリックされることで、ネットのトラフィックが発生している。

トラフィックの発生源は、Googleの検索結果から、ソーシャルメディア上で受動的に消費されるコンテンツに含まれるURLへと変化しているのである。

このことから、インターネットマーケティングは、検索キーワードを選び買うことから、読者に喜ばれる、もっと具体的に言うと読者が他の読者に教えたくなるようなコンテンツを作り、ソーシャルメディア上で拡散することへと変化した。これをコンテンツマーケティングという。

ビル・ゲイツの予言は、人々はコンテンツを受動的に消費するようになり、良いコンテンツを持つものがインターネット上で大きな影響力を持つようになる、というものだったが、この予言が本当のものになるのに20年近くかかったことになる。

コンテンツマーケティングのキーファクターはオウンドメディア

コンテンツを作ってソーシャルで拡散?ならば最初からソーシャルメディアだけにコンテンツをアップすればいいではないか?そう考えて、Facebookページを作り、TwitterやInstagramアカウントを作って、せっせとコンテンツを流し込む、それも悪くはない。
しかし、それではコンテンツはただニュースフィードを流れて消え去ってしまうし、検索エンジンに引っかかりづらい。検索が重要性を減じたといっても、無視することはできないはずだ。

そこで、コンテンツを作ったら、それを蓄積し、表示する場所が必要だ。そう、それがオウンドメディア。自分たちの都合だけで管理できる、自分たちだけのメディアだ。コンテンツマーケティング上、オウンドメディアはコンテナであり、コンテンツを蓄積し、いつでも引き出せる場所として、重要なファクターなのである。

要するに、良質なコンテンツを制作し、オウンドメディアに蓄積し、ソーシャルメディアに(オウンドメディア上のURLとともに)シェアしていく。また、オウンドメディアへの来訪者がさらにその情報をシェアしてくれるような設計にする。これがコンテンツマーケティングの骨子になるのだ。

さらに言えばオウンドメディアへの集客方法と、そうやって発生させたトラフィックをどこにどう誘導するかを設計することもまた、必要になってくるが、いずれにしても、用意周到に組み立てたオウンドメディアがなければ、せっかく良いコンテンツを作っても一時的な効果しか期待できないし、拡散したコンテンツとそれによるトラフィックを、効率的に運用することもできない。

従って、コンテンツマーケティングをオウンドメディアマーケティングと言い換えても良いほどに、オウンドメディアは重要なキーファクターなのである。

せっかくWebサイトを作っても、トラフィックが思うように集まらないようではつくった甲斐がない。クライアントの機嫌が悪くなり、以降の仕事の獲得にも悪影響が出るだろう。

現代のWebビジネスにおいて、トラフィックを集めるために重要なことはふたつ。ひとつはFacebookやTwitter上で話題になるようなコンテンツを作成すること。もうひとつは、関連キーワードで検索した際、Googleの検索ページの上位――少なくとも1ページ目に表示されることだ。もっと具体的に言えば、FacebookとGoogleに愛されるWebサイトにすることこそ、重要なのである。

そこで今回はまず、Googleに愛されるための方法を3つ、進呈しよう。

#001 シングルカラムのWebサイトにする

現在のWebコンテンツの消費の多くは、モバイル上で行われている。検索結果をクリックして、リンク先のWebサイトがモバイル対応しておらず、いちいちピンチアウトしなければならないのは非常にめんどうだ。だから、Googleもモバイル・PCそれぞれの検索結果画面を変えている。モバイル上では、モバイルに最適化したWebサイトを優先して表示するといった具合だ。

モバイルに最適化されているという意味にはいくつかあるが、横長のPCとは異なり、スマホユーザーはたいてい画面を縦型にして見る。つまり、縦型に設計されたWebサイトのほうが圧倒的に見やすく、結果としてシングルカラム――段組みがなく、コンテンツが一列で表示されているWebサイトを優遇することになる。あなたのWebサイトが2カラムや3カラムでつくられている場合、モバイル上でGoogleに愛されることはない。

#002 モバイルサイトとPCサイトのURLを同じにする

多くの企業は、PCサイトとモバイルサイトを個別に用意するというむだを行っている。それは大きなまちがいだ。HTMLを別々に用意するというむだなお金を使っていることはもちろん、モバイル上でPC用のURLが入力された際に発生するであろうリダイレクトの時間は、ユーザーにとってもGoogleにとっても、大きなロスタイムといえよう。

Googleが2015年2月26日に発表した、モバイル検索における重要事項としてのモバイルフレンドリーのコンセプトでは、ユーザーを待たせるような行為は減点対象となっている。

#003 レスポンシブWebデザインにする

結論として、シングルカラムにする、モバイルサイトとPCサイトのHTMLを同じにする、URLも同じにする――という前項の要素を実現するには、レスポンシブWebデザインを採用するのが手っ取り早い。PCサイトとモバイルサイトをふたつ制作するようなむだなコストが省けるし、PC・モバイルどちらで見ても同じユーザー体験を提供できる。

今年はじまったWebサイト構築サービスであるAmebaOwndも、ここでたびたび紹介しているアメリカの新興メディアプラットフォームであるMediumやQuartzも、僕たちが提供しているパブリッシングプラットフォームのdinoも、すべてレスポンシブWebデザインでサービスを提供している。新しいWebサイト・Webサービスほど、ほぼ例外なくレスポンシブを採用しているのは、Googleに嫌われたくない、その思いが根底にあるのかもしれない。

例年であれば、冬の終わりを情けないほどに寂しく思うのであるが、今年は違う。

やはりオートバイ乗りとしては、春が待ち遠しい。真夏でさえも、それはそれ。暑さには苦しんでも、身軽に出かけられる喜びは代え難いものなのだ。

少し前まで、わずか200ccのベスパに乗っていた。ベスパでは時速100kmを超える走行は滅多にしないし、それほど遠出もしないので、結局防寒にそれほど気を使うことない。
しかし、やはり750ccのマシンもなれば、風圧は半端ないし、航続距離も違う。

タバコ嫌いな僕だが、好きな女性がスモーカーなら苦もなく合わせられるし、大切なバイクと
出かけられるとなれば暑い季節が大嫌いでも、甘んじて受け入れられる。

人間とはなんとも身勝手なものである。

日経MJ 2015.03.27

ツイッターやフェイスブックなどのSNSアカウントをオウンドメディアと連携させ、企業や個人が様々なルートで発信した情報やコンテンツを1つのメディアのようにまとめられる。

自社が所有するオウンドメディアなら外部の制約を受けづらい。デザインの自由度も高まる。「今後はます、ソーシャルにオウンドを組み合わせた各メディアの使い分けがネットマーケティングの成否を分ける」

コンテンツを作るということは、人的リソースに頼るということだ。

編集者および記者、言ってみればソフトウェア産業におけるプロデューサーとプログラマーの関係に似た人材を確保する必要がある。

Techcrunchの記事では、印象として、
・最近までVCはコンテンツ制作を基本機能とするメディア企業には投資を控えてきた
・現在ではコンテンツがSNSなどでシェアされて拡散していくので、収益逓増が見込まれるようになったので、VCが投資するようになった
と言っているように見える。

しかし、僕に言わせれば、それだけではなく、2014年から急速に成長を始めたメディア企業たちは、同時にテックベンチャーであり、プラットフォームでもあるからVCは評価している、と思っている。

テクノロジープラットフォームとコンテンツパブリッシングの融合

例えばBuzzFeedは、コンテンツ制作をメインとするパブリッシャーだが、同時に比類ないテッック企業でもある。彼らは制作したコンテンツがFacebookを軸としたソーシャルメディア上で拡散されることが、検索エンジンに変わるトラフィックエンジンであると気づいた。だからソーシャルでシェアされやすいコンテンツを作るための分析ツールを作り、シェアの効率性を最大化している。

また、Mediumは、コンテンツを生成するエディターを極端にシンプルにすると同時に、自由なフォーマットでコンテンツを書かせるのではなく、ある程度決まったフォーマットで生成するように、エディターの機能を制限している。

**それはこのdinoも同じ**だ。dinoも、自由にいろいろな表現力を持つエディターを用意する代わりに、読み手にとって読みやすいコンテンツの表記形式をまず決めて、それだけを書くためのツールとしている。
タイトル・小見出し・本文・リンク・動画・画像・引用など、メディアとして必要な様式は決まっている。だからそれだけを書かせる。余計なことはしない。
つまり、エディターに制約条件をもたせることで、書き手を無意識に訓練させているのだ。

このように、さまざまなテクノロジーを用いることで、パブリッシャーとして良質なコンテンツを作る能力のかさ上げをしているのである。

このような事情が相まって、米国ではメディア企業への投資が盛んになっている、と僕は考えている。

VCが後押した新興デジタルメディア、トラフィックも売上高も急増

zen.seesaa.net

2014年はオンラインメディア・ブームで沸きに沸いた。VC(ベンチャーキャピタル)が競って新興パブリッシャーに出資したこともあって、米国や日本で大いに盛り上がった。Preqinによると、VCがデジタルメディア分野に投入した出資総額は、2014年は世界で少なくとも6億8300万ドルに達したようだ。一昨年の2億7700万ドルに比べ、2倍以上もニュースサイトなどに資金が注入された。

 NYタイムズに代表される米国の伝統メディアの多くは、人減らしなどの経費削減で息をつなぐのに精一杯の厳しい状況が続いている。一方,勢いづいてきたデジタル特化の新興メディアは、投資家から多くの資金を調達でき、一段と攻勢をかけてきたのだ。

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