プラティシャーカンパニー Medium

米国メディアのPC Magazineが伝えたところによると、長文ジャーナリズムプラットフォームのMediumが、限定的にメディアごとのドメインマッピングを認めるテストを開始したとのこと。

Mediumは、コンテンツ生成のCMSをフリーで提供するプラットフォームという側面と、自社で制作したコンテンツを使ったメディア運営をするパブリッシャーという側面の両方を備えている。これをプラティシャーと呼んだりするが、その代表例として挙げられることが多い。

Twitter共同創業者のひとり、エヴァン・ウィリアムズ が 設立したこの企業は、非常にシンプルかつエレガントな投稿ツールを一般公開してきた。誰でも簡単にコンテンツを配信できるサービスで、Twitterよりも長いテキストが書けて、ブログよりも簡単に更新できるという意味で、Twitterとブログの中間点(medium)に位置する。だから社名がMediumなわけだが、いまではプラットフォームとメディアの中間だからMediumである、という見方が強まってきている。

和製Medium? 米製dino? (笑)

Mediumは多くの優秀な編集者や記者を集めて、独自のメディアを作ると同時に、クライアントに自社のプラットフォームを提供して、企業がオウンドメディアを作る支援をしてきた。ただし、そのメディアはすべてmedium.comドメイン上に置かれてきた。

今回のメディアごとのドメインマッピングを許可する方針は、果たして全体へと波及するだろうか。そうなれば、僕たちが提供しているdino networkに限りなく接近したサービスになるということになる・・・。

ところで、dinoのエディター、明日から新しくなるのだが、その動きは実はMediumの新しいエディターに似ている。これも偶然と思うかどうかは、ユーザーの印象にお任せしたいw
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new dino editor

僕は年に100本の映画を観る。
同じ俳優を観ることも当然多いが、スカーレット・ヨハンソンはその中でもとても印象深い女優の一人だ。
今週の1枚、『LUCY/ルーシー 』も、ヨハンソン主演のSFサスペンスだ。
(ちなみに、先週観た『her/世界で一人だけの彼女 』のAIの声を演じていたのもヨハンソン だった)

LUCY/ルーシー

www.youtube.com

スカーレット・ヨハンソン

www.imdb.com

スカーレット・ジョハンソン(Scarlett Johansson, 1984年11月22日 - )は、アメリカ合衆国の女優、歌手。身長160cm。左利き。日本で多く見られる「ヨハンソン」という表記は父方の苗字のルーツであるデンマーク系の読み方である。

人間が脳を10%しか使っていないという都市伝説

実は嘘というか誤解らしいが、人間が脳の10%しか使えていないという”常識”は世界的らしい。
LUCYでは、ある組織の陰謀から偶然脳の能力を100%覚醒させてしまった女性が、超常能力まで手に入れてしまう。

同じようなテーマでは、ブラッドリー・クーパーが、製薬メーカーが密かに研究していた実験用のドラッグを手に入れることで、常人をはるかに超える集中力を得て成功者となる、ある作家を演じている(映画『リミットレス』)

リミットレス

www.youtube.com

力を得たのはルーシーか、ヨハンソンか

LUCYはなかなかに面白い。『アベンジャーズ』のブラックウィドウ役でアクション女優としても十分に客を魅了できることを証明したヨハンソンにして、次はサイバーパンクというか、肉体だけでなく、精神世界というか若干LSD的な異常空間のヒロインとしても同じく魅力的であることが十分にわかる。

スカーレット・ヨハンソンは、日本のSFコミックの最高峰『攻殻機動隊』の実写映画で、主人公 草薙素子(白人が演じることからヒロインの名前も設定も大きく変わることが予想される)を演じることが決定している。
このLUCY役が、次の大役ゲットのきっかけになっていることは容易に推測できる。両者は肉体か義体かは別にして、非常に似通ったキャラクターだからだ。

160cmと、ハリウッド女優としては小柄な彼女だが、30歳を過ぎて、実にパワフルなキャリアパスを歩んでいる。本作でも、彼女の存在感は圧倒的であり、その魅力に引きつけられる。むしろ、ストーリーはどうでもいい、そう言ったらリュック・ベンソン監督にあまりに失礼だとしかられてしまうだろうが・・。

企業にとってペイドメディア(マスメディア)とソーシャルメディアによって、できるだけ多くのライトファンの耳目を集め、トラフィックをオウンドメディア(自社メディア)に引き込むということが重要になってきている。

SEOの影響力減衰

テレビを見ていても分かると思うが、大企業は「続きはWebで」「〇〇で検索」というオンラインへの導線を大きなお金をかけてCMに張ってきた(最近下火だね)。

オウンドメディアがECやソーシャルゲームであるならば、そのトラフィックを直接的に換金できるので、あとは訪問客が実際に顧客になるまでのコンバージョンを上げることを考えられる。FXや生命保険などのサイトであっても、まあ同様だろう。メーカーであれば、そこで必要充分なコンテンツを与えて、消費者に”買いたい”という欲望を植え付けねばならず、飲食であればその店で食べてみたいと思わせて、そこからその商品を買いに近所の販売店やレストランに足を運ばせる(言ってみればO2O)ために、さまざまな工夫が必要になる。

いずれにしても、企業が考えるべきは、多額のお金やクリエイティブによって発生させたトラフィックを自社のサイトに引き込んだあとに、いかにしてそのトラフィックを換金するか、ということであり、オウンドメディアをより充実させることに投資を惜しんではならないと思う。
例えば、自社SNSとしては比較的良く知られているコカコーラ・パーク(会員数1000万人)は、規模だけで言えばFacebook、Twitter、LINEなどに次ぐ巨大な国産SNSだ。これにならって味の素も自分たちのソーシャルネットワークを作ることを発表し、2012年7月25日に正式公開した。 味の素のファンクラブ?化学調味料の?と訝る方もいるだろうが、彼らは自社のブランドの根源というか象徴として”料理のレシピ”を選び、そのレシピの共有サイトを作っている。そのレシピを支えるさまざま商品の提供者としての立ち位置を選んでソーシャルネットワークを作るのである。

ラグジュアリーブランドの成功例

ラグジュアリーブランドで有名なバーバリーは、[Art of Trench] という、自分のトレンチコート姿の画像を訪問者がアップできるというインタラクティブなサイトを使って、ファンとの交流を図っている。

Art of Trench

http://artofthetrench.burberry.comurl.to.site.com

同じトレンチコートブランドであったアクアスキュータムが破綻したのとは正反対に、彼らは若者に訴求するBlue Label やBlack Labelなどをうまく使いつつ完全再生し、さらに自社のオリジンであるトレンチコート愛を集約するサイトを作って、旬なブランドとしてのイメージを確立した。

このように、オウンドメディアにトラフィックを引き込み、そこでコアファンをもてなす場所を設けるという施策が、優れたマーケティング企業には標準的な作戦として採用され始めている。彼らは、ソーシャルメディアを利用しつつ、Facebook、Twitter、YouTubeなど、何カ所にも分かれているコンテンツや交流の場を、一カ所のハブ(僕はソーシャルハブと呼んでいる)に集約することで、ブランドパワーを最大限かつ効率アップしようとしているのだ。


このソーシャルハブ戦略に基づき、企業はできる限りはやくオウンドメディアに投資を行い、正しくソーシャル化+モバイル化を行うべきだと考える。

温故知新とはよくいうが、Blogなどのおかげで(僕の場合は多少の著作物があるというおかげでも)、自分が過去に何を考えていたのかを時々振り返ることができるようになったことは、実に喜ばしい。

いま、こうして自分達でもメディアを作ってみて、強く思うのが、Googleの影響力がこの5年間で確かに減じたことだ。
当サイトのトラフィック流入の平均80%はFacebook経由、10%がTwitter、残り10%が”それ以外”。少なくとも当サイトからすればGoogleをはじめとする検索エンジンからの流入トラフィックは10%以下、ということになる。
しかも、閲覧されているのは80%以上がモバイル(タブレットを含む)だ。知っての通り、モバイルユーザーはWebサイトを見るのにあまり検索は使わない。上述の数字でわかるように、結局SNSなどで受動的に知り得たリンクをクリックしているだけだ。

もちろん圧倒的な資金力を持つ彼らを怖れないということは言えない。また、検索エンジンの重要性も変わらない。しかし、今までのように、検索エンジンはトラフィックを発生させる、トラフィックエンジンの王者ではもはやない。Facebookが事実上の絶対君主になりつつあるのである。
Googleが強い領域、というものもある。ソーシャルになじまない情報、例えば学生が企業訪問する際に、本社住所を調べるのであれば、受動的にそんな情報がSNS上に来ることはないから、検索エンジンに頼ることになる。

なぜGoogle(というか、彼らの検索エンジンというコアテクノロジー)の影響力が落ちているのか、という詳細については、2010年に僕自身が記したBlogの内容以上のことはない。

最近の若いネットユーザーは最新情報のアップデートばかり追いかけるが、実は過去のアーカイブにこそ、今に通じるエッセンスが隠れている、遡らなければわからないこともあるよと、時として説教じみたことを考えるのだがw、それは置いて、とりあえず以下のエントリーをご一読いただければ幸いだ。

youtu.be

ハイパーリンクvsソーシャルグラフ on 20 Aug
2010

GoogleがなぜFacebookを恐れるのか。

それはGoogleがWebの世界の王者として君臨してきた存在根拠を、Facebookが破壊するかもしれないからです。

Goolgeは、Webのハイパーリンクの構造を理解し、解析することで検索エンジンを再定義しました。そこで得られる検索結果を表示するアルゴリズム、たとえばページランクはそうした研究成果から生まれたものです。

ところが、最近のWebの利用者は、ソーシャルメディア上に流れるさまざまなコンテンツに含まれるURLをクリックすることで、あらたな情報へのアクセスをすることが多くなっている。特に、自分がよく知っている人や、自分が得たい情報を早く入手しているような識者が紹介したものであれば、躊躇なくそのURLをクリックします。つまり、ハイパーリンクを元につながっているというよりは、ソーシャルメディア上の人間関係を元に、それらの情報がつながりはじめています。このWeb上の人間関係をソーシャルグラフ と言います。

要するにハイパーリンク準拠のWebの利用から、ソーシャルグラフ準拠のWebの利用に、ユーザーの行動パターンが変わり始めているということです。

だからGoogleはFacebookを嫌がっている。しかもFacebookは、最近このソーシャルグラフをベースとした検索エンジンを開発し始めているので、なおさら直接的な脅威になります。


僕はポストWeb2.0を、Webをサイトという静的なファイルのメタファで見ることから、ストリームという動的な流れのメタファでみるべきであると主張してきました。それを僕はソーシャルストリームと呼んでいます。

つまり、サイトとはWebページという集合ファイルであり、増殖はしていくものの、データの在り場所は不動ですが、ソーシャルストリームでは、データが瞬時にいろいろなWebサービスをホップ(例:BlogからTwitterへ、そしてFacebookへ)していくわけです。 これを捕まえないとリアルタイムな情報をつかめない。

ソーシャルストリームの流れは非常に複雑で速い。この流れ方を規定しているのは、実はソーシャルグラフです。ソーシャルグラフ上のつながりと、そのときに応じて生まれるユーザーの興味のあり方(インタレスト)によってソーシャルストリームの流れが変わります。

つまり、ソーシャルストリームを掴むには、その流れを生み出しているソーシャルグラフを解析することが必要になります。

GoogleがWebサイトやWebページを検索するためにハイパーリンクを解析したように、Facebookはソーシャルストリームから情報をリアルタイム検索するために、ソーシャルグラフを解析していくことになります。



このGoogle対Facebookの戦いこそが、Google対Appleに並ぶ、Webの次のディケイドを見通すための大きな基軸になっていくでしょう。

僕は自分では趣味が少ない、比較的つまらない仕事人間だと思って生きてきたが、人に言わせるとそうでもないらしい。
指を折って数えてみると、オートバイ、クルマ、ボクシング(鑑賞)、写真撮影(カメラ)・・。まあ、少ないこともないか。結果として、最近ではあなたは本当に多趣味ですね、と言われるようになっている。なんとなく釈然としないが、まあ、そういうことらしい。

唯一?欲しいもの。それはライカ

ただ、物欲はだいぶ少なくなった、と思う。欲しいものがあるか?と言われると非常に困るようになっているのだ。バイクもクルマも今のでいいし、四六時中Tシャツの僕は、衣服にもそれほどお金がかからない。

オートバイにしてもクルマにしても、新しいものに買い換えたいという欲求がない。今のバイクとクルマに、尋常ならぬ愛着を持っているので、それ以上の存在を見いだすことがないのだ。

ただ、カメラ(とレンズ)は、実はいつかは欲しい!と思うものがあった。それはライカ(LEICA)だ。
僕は一眼レフの重厚感も大好きだが、より好きなことがストリートスナップであり、手軽に撮れる小さなカメラは、ちょうどガンマンがライフルよりも腰に下げたリボルバーを偏愛するような気分で取り扱う。今はRICOHのGRを愛用しているが、いつかは欲しいと思うのは、やはりライカなのである。

LEICA M Edition 60

http://wired.jp/2014/09/27/leica-m-edition-60/

伝説に惑わされている、それは承知の上

正直なところ、いますぐ欲しいという気分でもないし、GRと比べても撮れる画の違いは、その値段ほどのものはないと思うので、真剣に考えたこともない。だからどのモデルが欲しいということもない。この写真のモデルは、たまたまWiredに掲載されていて、ちょっとデザインがかっこいいなと思った程度の関心である。

ただ、気軽に撮れるスナップショット用のカメラとして、最終的に一台持つならライカだろうと常に思っている。それは本職のフォトグラファーでも同じように思っているのではないか?マグネシウム合金の堅牢なボディと、ライカでしか撮れないと言われる味わい。それらは本当は誤解というか、単なる思い込みなのかもしれないが、クルマにおけるポルシェ911などに対する思い入れとほぼ同じだろう。

ロバート・キャパを始めとする、伝説的なフォトグラファーが愛用したというような伝説を鵜呑みにしているわけでもないのだが、いつかは自分の手元に置いてみたい道具。その筆頭に、確かにライカは位置しているのである。

http://www.mdn.co.jp/di/newstopics/40270/

Facebookが事実上のソーシャルプラットフォームになり、一般消費者がインターネット上に自分の近況をアップロードすることへの抵抗感は、ほぼゼロになった。匿名がよければTwitterがあるし、動画や画像であればInstagram・Vine・YouTubeがある。また、限られた人とだけのやりとりということであれば、SnapchatやWhatsApp、LINEがある。

そのなかでブログは死んだのか、オワコンということでいいのか? というと、そうでもないらしい。

http://recode.net/2015/03/03/fab-coms-fire-sale-is-official/


300億円が15億円に・・

ピボット(事業領域やプロダクトの急転換)による急成長したスタートアップ。
その代表例として大きな注目を集め続けたFab.comが、経営破綻した。

日本円にして300億円以上の資金調達に成功した彼らだが、最終的には15億円ほどで売却に応じるらしい。

Fab.com は他所では売っていない、ユニークで美しいプロダクトを集めて販売するセレクトショップ型のECだった。サイトはPinterest風で、画像を大きく美しく見せることで消費者の心をつかんだ。
それが、海外進出を急いだばかりに、商品が足りなくなり、結局他のどこでも買えるような商品をかきあつめることで、独自性を失った。どこにでもあるファッションECに成り下がってしまったのだ。

やはりフォーカスを失うということは、スタートアップにとっては致命的と言えるだろう。

日本市場を目指していたFab.com

僕はFab.comの共同創業者兼CEOのジェイソン・ゴールドバーグ(写真)のインタビューに立ち会ったことがある。
わずか1年半前のことだが、日本市場への進出と、成長戦略について自信満々に語っていたのが、まるで儚い夢のようである。

ちなみに僕もiPhoneを使って自分のサービスを紹介したのだが、「デザインはまあまあだね」というのが、彼の気のないコメントだった(苦笑)。

出典:http://www.projectdesign.jp/201306/cover-story/000564.php


ゲイのためのサービスからゲイのセンスによるサービスへ

もともとジェイソンらは、ゲイ専用のSNSを作っていたが、行き詰まり、ゲイのためのサービスではなく、ゲイ(である彼ら)の、卓越した美的センスを生かして、より多くの人々に対するサービスを作ることを考えた。それが彼らの目利きによって集めた商品を売る、美しいECサイトというアイデアであり、当初は確かに大成功した。

しかし、冒頭で述べたように、成長を急ぐあまりにコモディティ(日用品)的な商品にまで手を出して、失速することになった。

自分たちのセンスを信じて立ち上げたサービスなのに、自分たちのセンスこそがコアコンピタンスであることをどこかで忘れてしまった。資金が豊富になったことで、傲慢になっていたのかもしれない。

いずれにしても、Fab.comのストーリーはこれで終わった。
世界的な知名度を得られるスタートアップは、ほんの一握りにすぎない。その意味では、彼らを単なる失敗者として扱うのは非常に失礼だ。
彼らが成功しかけた、そこまでの戦略からのエッセンスを学び、失敗に至ったプロセスを避ける方法を考える、それが僕たちの正しい態度であると思う。

https://medium.com/@hiro_ogawa/911-47471198c9c4


独創と模倣のハイブリッド

ポルシェは現在、代名詞である911、ライトウェイトなオープンカーであるボクスター、ボクスターに屋根をつけたケイマン、RUVのカイエン、ラグジュアリーセダンのパナメーラの5種類の自動車を生産している。

ポルシェファンの中には911しかポルシェと認めない、という言い方をする人も多い。それはどうしてかというと、911以外の車種は、マーケティング調査の上で他社を模倣した戦略車であり、借りてきた方程式による答えだからだ。例えばパナメーラはセダンでありながらスポーツカーとしての魅力を両立させることに成功して復活したマセラティの模倣である。

もちろん誰かが成功した(勝利の)方程式を借りて製品開発をしていけないということはない。いまや韓国経済を牽引するサムスンはAppleを模倣して大成功し、本家を脅かせるだけの地位を築いている。しかし、それでもポルシェを熱狂的に愛する支援者たちの心のよりどころは、変わらず911であり、ポルシェ自身が独自で作り上げた彼らだけの方程式によって導きだされた一流の工業製品があるからこそだ。


911という宝石

911は世界の自動車市場において、唯一といっていいくらい独特な車だ。まずエンジンが後ろにあるリアエンジン・リアドライブ(RR)という方式を一貫して採用している。現代の主流はFF(フロントエンジン・フロントドライブ)もしくはFR(フロントエンジン・リアドライブ)であり、いずれもエンジンを運転席の前に置く。RRは常識でみれば時代遅れの手法だ。RRは構造上、スピードを上げればあげるほどまっすぐ走りづらくなるという欠点があるからだ。


では911はレトロな車なのかというと、もちろんそんなことはない。いまや時速300キロをたたき出すスーパーカーであり、実際にレースでも好成績を残す、最先端のスポーツカーであり続けている。つまり、時代遅れの手法を頑に使いながらも、卓越した技術力でそのビハインドをカバーすることで、現役のスポーツカーとしての座を守り続けているのだ。

例えば911の後輪部分は異様に張り出している。強大なエンジンパワーを受け止めるために後輪のタイヤを太くしているからだ。RRを生かすためにボディの形が進化したわけだ。結果として、911は生産開始以来現在にいたるまで、誰が見てもポルシェだ(911だ)と分かる一貫したエクステリアデザインを手に入れることができた。一つの技術へのこだわりが、不変のブランド価値を持つことになったわけだ。形態は機能に従う、というがまさしく911はその体現者だ。


ジョブズも愛した”機能に従う形態”

スティーブ・ジョブズがポルシェを愛し、自分でも乗っていたし、理想のブランドの一つとして折りに触れて公言していたことはよく知られている。Appleもまた、製品数を絞り、自社開発のOSで動作する高性能ガジェットの開発にフォーカスしている。RRを採用しながら最高のパフォーマンスを発揮する911と同じで、Mac OS XもiOSも他社に提供することなく、オリジナルのテクノロジーで自社商品のブランド力を維持している。誰が見てもポルシェと分かってくれるように、誰が見てもAppleだと分かってくれる商品デザインが必要だということも理解している。

そしてそのデザインは、機能によって導きだされたものでなければ、ユーザーの情熱を引き出すことはできない。Googleはデザイン面では酷評されることの多い企業だが、アプローチはポルシェ的だ。彼らは基本的にドル箱であり機関技術である検索エンジンをベースにほかのサービスを開発しようとする。ちょうどRRを基本として911を作ったように、彼らは検索エンジンを生かすためのアプリやサービスを考える一貫性を持っている。GmailはGoogleのWebアプリの最高傑作の一つだと思うが、メールサービスをフォルダーによって整理するのでなく検索すればいいと考えたデザインがGmailを特徴付けている。ここでも形態は機能に従うのである。

日本企業は先日行われたCESで多くの製品を発表し、ローエンド重視からハイエンド重視へと戦略を変え始めているようだが、自社ならではの技術にフォーカスし、その技術によって特徴付けられるデザインを持つ製品はほぼないように思われる。僕は日本の家電メーカーの復活は911の方程式を盗む(という難事に挑む)ほかないと思うのだが、みなさんはどう思われるだろうか。

https://gigaom.com/2015/02/24/medium-gets-a-bit-more-twitter-like-and-a-bit-more-blog-like/

"Medium has been known primarily for its long-form, magazine-style pieces — but founder Evan Williams says it wants to be a home for shorter posts as well, so it has launched several new features that make it more Twitter-like and more blog-like"


Mediumが若干の方針転換。
これまでの、1000文字以上の長文推奨型のエディターに加えて、Twitterのように短文もしくは写真などを気楽にポストできるような投稿機能を採用。

Tumblrに近くなった、と言える。

雑誌型メディアの代表、かつ、プラットフォームとパブリッシャーのハイブリッドサービス=プラティシャーの代表とされるMedium。
今度はじっくり長文投稿と、気楽に短文投稿のハイブリッドとしての側面を、どうユーザーに飲み込ませるのか、注目したい。

http://www.mdn.co.jp/di/newstopics/40088/

オンラインメディアの動向調査で定評あるブログメディア「メディアパブ」の2015年2月12日の記事(http://zen.seesaa.net/article/413904422.html)によると、バイラルメディア、もしくはキュレーションメディアとよばれるデジタルメディアに集まったベンチャーキャピタル(VC)の資金は「昨年(2014年)は世界で少なくとも6億8300万ドルに達したようだ。一昨年の2億7700万ドルに比べ、2倍以上もニュースサイトなどに資金が注入された」(メディア・パブ)という。

出資額の大きさでは比べようがないものの、日本国内においても、これらの新興メディア企業への期待値は高まっている。

2014年10月には、KDDIが生活情報サイトのnanapi(http://nanapi.jp/)を買収(買収額は非公開だが、30~40億円ではないかとの推測がインターネット上で飛び交っている)した。

さらに2014年10月にはディー・エヌ・エー(DeNA)が、住まい・インテリア情報サイトのiemo(http://iemo.jp/)とファッション情報サイトのMERY(http://mery.jp/)を総額50億円という巨資を投じて買収した。

2015年に入っても、DeNAが学生・読モ情報サイトの4meee!(http://4meee.com/)などを運営するロケットベンチャーを6億円で買収したように、先行してIPOをはたして次のトラフィックマシンを必要とするインターネット企業が新興メディア企業を買う、という図式はしばらく続きそうである。

女性向けファッション、住まい情報など、比較的参入障壁が低そうな領域での買収が続いたので、いまからメディアを立ち上げて二匹目、三匹目のドジョウを狙うベンチャーは、参入するべき新しい領域を血なまこで探している状況だろう。

続きは こちらから


2015年02月17日の 日経産業新聞 7ページに、エニグモが4meee!などの運営会社ロケット・ベンチャーの買収に関する記事が掲載されましたが、そこにニュースサイト(キュレーションサイト)をトラフィックマシンとして利用する動きの一環として、リボルバーについても触れていただいています。

「企業の独自ニュースサイト(=オウンドメディア)開設と運営を裏方で支える事業(=メディアプラットフォーム)を2月に始めたのがリボルバー」

「同社は写真や動画を多用したニュースサイトを手軽に開設・運営できるシステムを企業に提供する。企業は自社でニュースサイトを開いたり、リボルバーに制作を委託したりできる」


僕のコメントも掲載していただいています。

キュレーションメディア、バイラルメディア市場はまだまだ熱く、同時にその仕組みを取り入れることでコンテンツマーケティングを実現しようと考える、企業の広報・宣伝・マーケティング担当者も増えてくると思います。
リボルバーは企業を裏方として支えるメディアプラットフォームカンパニーとして、フォーカスを強めていきます。

http://techcrunch.com/2015/02/18/ev-williams-metrics/

EVこと、エヴァン・ウィリアムズがCODE/Mediaカンファレンスのトークセッションで、PVやMAUでメディア価値を測るのは古すぎる、という持論を繰り返した。

「ページを開こうとしたが、時間がかかりすぎるので、脱落したユーザーがいても、1PVとカウントしているわけだ。誰得なの??」と彼はいう。

(彼が起こしているMedium.comでは)「ユーザーが実際にコンテンツを読了した時間を計測している」という。

ちなみに僕たちが開発・提供しているdino networkは、Mediumに技術的には異なるがメディア構造はよく似ている。ただ、僕たちは現時点では読了時間についてはあまり気にしていない。と、いうのも、Mediumは非常に長いテキストコンテンツを中心にしているが、僕たちは比較的写真を中心とした短めのコンテンツの配信を中心にしているからだ。

とは言っても、なんだかんだいって、サイトの平均滞在時間は長ければ長いほうがいい。dino networkでは、現時点ではおよそ2分半程度だ。短くはないと思う。

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